ミクシー・ドライバー | 煩悩無計画学 Ⅰ

ミクシー・ドライバー

僕が生来女性とのコミュニケーションに長けてないばかりか、
縁を作る努力をしない事に関しては、
日々諸兄が軽侮する所であります。

そうした侮蔑に対し、頓として粛然の態をとり、
更には一端の不満足を感じない所が、
自分の最大の短所であり、また、桜ん坊たる所以である事は
常々嫌になるほど自覚しております。

性に関して横柄すれすれの鷹揚な態度を取り、
かつ呑気に暮らしているような不貞(且つD貞)
な自分でありますけれども、心の底を叩いてみれば、
どこか悲しい音がするものです。(※0)


思い起こせば、本日も若干の女性との邂逅がありました。



其の壱 . 某旅行代理店Hにて


 本日は、愈々来週に差し迫った支那国訪問(※1)に備え、早速某大手旅行代理店へと足を運んだのでした。

これは自分の観察に基づく推測なのですが、この店では接客に対しある明確な戦略があるようでした。その戦略とは、至極単純明快で、ただ男性客に対しては女性社員が対応し、女性客に対しては男性社員が接客にあたる、という云わばホスト倶楽部とキャバクラが合併したような巧い戦略です。


ここで、自分は流されるままに質問に答え、先方の戦略通り、とある女性社員に発券手続きをしてもらう事になりました。


其の女性の外見的特長を一言で表すとすると、例えばフジやアサヒTVの社会派美人キャスターのような、端整ながらも艶やかさの漂うお姉さん系カジュアルスーツ美人と表する事が出来ましょう。
このような人種は、自分の中で「丸ごとミルクレープ」と呼ばれ、世界の森羅万象の中で二番目にエロいものに位置付けられています。


まあそれはいいでしょう。


以前、欧州建築巡礼旅行に出かける際もこのお店で旅券を発行してもらったのですが、その際も綺麗なお姉さんに対応して頂いていた事もあり、この度のこの巡り逢わせも、当方としては意図通りとも言えなくはありませんでした。というか下心のみでこのお店に再来したと言っても勿論過言ではない所か、むしろ100%正解なのです。


そして自分は彼女の前の席を案内され、向き合って座る事と相成りました。
ここで耳を澄ますと、聞こえてくるのは「カントリーロード」ではなく、「マントリーモード」でした。簡単に言えば、スケベな歌です。

サア、そして愈々ドキドキ発券タイムが始まったのです。(妄想)

既にこれは脳内フィーリングカップルなのです。(凄い妄想)

互いの心を読みあう、一種の戦争が勃発してしまったのです。
(酷い妄想)


僕は颯爽と砂漠の銀狐ロンメル(※2)と化しました。
彼女はさしずめパットン将軍(※3)でしょうか。




・・・と、ここまで書いた所で、非常に疲れてきて
一刻の猶予も許さず布団にスライディングタックル
したくなってきたので、続きは明日書く事にでもしましょうか。

中途半端な前フリだけ書いておいて、僕も勿論気持ち悪いですが、こんなものを読んでしまった数少ない読者の方は更に気分を害されておられる事でしょう。
でもそんな事はもうどうでも良いくらい眠くなってきたので、惰眠を貪る事にします。


では、多分また明日。



次回は社会性を遵守するあまりに女性に失望し続ける憐れな桜ん坊心の動きを鋭く描写します。






タイトル原題:「タクシー・ドライバー」マーティン・スコセッシ

(※0)夏目漱石「我輩は猫である」の一文、『呑気と見える人々も、心の底を叩いてみれば、どこか悲しい音がする。』より盗用。
(※1)一昨日くらいの日記「気狂いドエロ」参照。
(※2)WWⅡ時のドイツ国防陸軍元帥。知将。その神出鬼没な作戦から敵軍に恐れられた。
(※3)ロンメルとアフリカ戦線で戦った鬼畜米帝軍の将軍