族族ワンダーランド | 煩悩無計画学 Ⅰ

族族ワンダーランド

日本人はよく「族」という言葉を使って、人をカテゴライズしたがる癖があります。

暴走族、ガングロ族、薔薇族、ヒルズ族・・・etc.

これらは、目に見える形での彼等の特徴を表したものに過ぎませんが、
もし、現代人の性格や行動原理にまで目を向けるならば、更に多様な族が
発生すると考えられます。

例えば、以下のように・・・。



『金本位族』

「お金」というパラメータが世の中と人生の全てを決定する絶対不変の要素であると考えている。
同種族間での共食いが生業であり、また幸せの源泉でもある。
成功という言葉を愛し、合理性を全ての行動の基準とする。
忙しい事がステータスの一つであり、また精神面での美徳でもある。
大して忙しい訳でもないのに自分は忙しいと信じきり、そうしてあくせくと行動する自分に酔いしれる事を何よりも好む。
論理至上主義で、物事を理詰めで考えて事ができるが、同時に、理詰めでしか思考できない。
小説も、演劇も、あらすじの緻密さと完成度の高さこそが議論の対象となる。
次に挙げる価値本意族がよりどころとする価値や幸せなども、最終的には金で手に入れる事ができると考える故に、自分達のほうが価値本意族より優位であるという意識がある。



『価値本位族』

精神面での幸せが人生の全てであると考え、それのよりどころとなる「価値」こそが最終的には他の全ての要素を凌駕すると考えている。
個々人がそれぞれ自分の信ずるところの「価値」を愛し、また、お互いのもつ「価値」を表面上認め合ってはいるものの、結局のところ他人の信ずるものに関しては全く興味がない。
お金に基づく行動原理の全てを非難し、蔑視する。同じ種族に属する者が金本位族と取引きしている姿を見た途端に軽蔑の眼差しを向けるが、自分が生活するために金本位族と取引する事は、自分の「価値」を守るためには不可抗力な事であるとして何の疑問も罪悪感も抱かない。
自分の信ずる崇高な「価値」は、たとえどんな大金でも手に入れる事ができないものであると信ずるが故に、自分達の方が金本位族より優位であるという意識がある。



『ナアナア族』

何事も、道を一本に絞って突き進むよりは、全てをバランス良く器用にこなす事を最大の目的とし、「信条をもたない事」を信条とする人々である。
二元論者を馬鹿にして楽しむ事が多い。
如何にスマートに生きるかが最大の関心事であり、何かを盲信するという事は最大の恥であり、美徳に反するダサい行為であるとみなす。
表面的には他人の考えの最大の理解者であるかのように振舞うが、常にそれを反面教師とするべく身構えており、自分以外は基本的に馬鹿であると信じている。
金や価値といった、行動原理となり得る具体的な目標物を常に変化させたり、時には全く設定させないことで飄々と生きる自分に酔う。




もっといろいろ考えられそうですね。

もし、他に皆さんが知っている「族」がいれば、
是非教えてください。