ハンコ物語 | 煩悩無計画学 Ⅰ

ハンコ物語

昨日は「和の遺伝子~身体~」といういやらしいタイトルのコンペの提出に駈けずりまわっておりました。

おかげ様で、何とか提出する事ができた訳ですが、とりあえず締め切りにはギリギリ間に合ってなかったです。


このコンペに関しては、以前からONAメンバー(※1)で記念にやろうという話があったのですが、自立したい年頃を迎えた自分は一人でやると頑なに固辞していたのでありました。

そうして、先週からちょこちょこと案は考えており、締め切り二日前くらいには案ができていたのですが、プレゼンするのがマンドクセというのと、何かモチベーションが上がらないので、直前まで提出を躊躇していました。

あーもうやらんとこっかなー、
と、ダメリになろうとした瞬間、マイクロソフトWORDのイルカの如くmokaくんがボワンと現れ、やらないよりはマシと、結局二人でやる事になったのです。


まあ一日でやったにしてはまあ見れるモノが出来た訳ですけれども、気が付けば締め切りの時間は過ぎていました。
締め切りは昨日の夜0時。
深夜のヤクザ研で、Nにし君がテンパり過ぎて独りだんじり祭りの如く走り回っている中、我々が下した決断は、郵便局のオッサンに土下座する事でありました。そうして、昨日付けの消印のハンコをもらうのです。


こうして、まだ見ぬ初対面のオッサンの人情というものを完全に前提にして、夜中突然現れたしょうさん(※2)のブーブに乗せてもらい、mokaくんと三人で郵便局に向かったのでした。


しかし、ハイテク化と女性の痴女化が進む昨今では、消印をつける作業は全てマッシーンどもがやりやがるらしく、郵便局のオッサンにはただただ冷徹な言葉を浴びせられたのみでした。


「消印の改ざん?そんなんしたら犯罪者になってまうで。」


そのような完全で冷徹なる社会システムに対し、我々若者はいつの時代も反感を覚えるものです。


「何だとこの野郎。性犯罪者みたいな顔しやがって。どうせ手鏡とかいっぱい持ってるんでしょうが。」


と、全く持って的外れで関係のない反感を抱きつつ、我々はその郵便局を後にする他ありませんでした。


我々は途方に暮れました・・・。


ここで、しょうさんから、このまま図面を灯篭流しの如く鴨川に流そうという素晴らしい提案が出たのですが、人一倍自分の作品に愛情と執着を注ぐmokaさんに反対されました。


そこで、とりあえずコンビニエンスストアシステムズで、発送書類の手書きの欄だけでも昨日付けにしてもらおうという話になり、我々は近くの家族売り場(ファミリーマート)にむかったのです。

「あの、すみません。ちょっとゆうパックの改ざんお願いしたいんですけど。ちょっと一瞬だけ白痴になって、ここの日付の欄間違って昨日付けで受け取った事にして下さい。」

と、初対面の人に身勝手この上ない要求を突きつけようとしたその刹那、

「すいません、ウチはゆうパック取り扱ってないんです。」

と、出鼻をくじかれたのです。この時、先手必勝とはこの事だと悟りました。


我々は途方に暮れました・・・。


ここで、しょうさんから、このままラーメン食って帰ろうという素晴らしい提案が出たのですが、人一倍ローソンが好きなmokaさんに反対されました。

そうして我々がローソン着くと、ヒ素カレーの林容疑者に似たオバちゃんが丁寧に対応してくれました。
彼女によれば、店員が処理する日付の欄は改ざんできても、どうせ明朝郵便局のおっさんが今日付けの日付のハンコを押すので、どうしようもないという事でした。

ここで我々は流石に諦め、ダメもとでJIAに送りつけたのです。


そうして結局再びダメリな結果を残し、全てが終わったあと、一家ピンピン(※3)で泥ラーメンを食べ、我々は帰途についたのであります。

いや、疲れた。

これ書いてる今、マコンくんから今日は研究室のコンペをやろうという素晴らしい不幸のメールが入ってきたので、今からまたガッコ逝きますね。あなくやし。




(※1)ONA:シモネタしか言えない悲しい人間の集まり。ONAが元ネタという、レム・クールハース氏に失礼極まりないネーミングである。構成員は今のところ、moka、TNa、そして自分であり、今後増える予定もない。ネーミングは、この三人の名前の頭文字であるというウマイ言い訳もある。

(※2)夜中のしょうさん:昨日の昼から、半日かけずにコンペ仕上げるという偉業を成し遂げた彼。独りだんじり祭りのNにし君も同じ。そこまでギリギリになってからでもコンペをするという、貫徹された意志は、本当に尊敬に値する。

(※3)一家ピンピン:天下一品の事。京都発祥のラーメン屋チェーン。どろどろラーメン。一家ピンピンはしょうさんの名言。他、びっくりドンキーをぱっくりモンキー、来来亭をパイパイ亭など、中学生並みの言葉遊びが今風である。






タイトル原題:「三都物語」 谷村新司